b1
b3
b2
b4
b5
 
  COPYRIGHT(C)1998-ARAKAWA KATSUMI,SAIDIA FURAHA wo SASAERU KAI & Hikari Miura ALLRIGHT RESERVED. Illustration by Jin Kawaguchi. 禁無断転載  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


<<緊急! 大規模なデモ 荒川勝己リポート 2024.7.5>>

6月25日にナイロビにある国会で新しい税の法案が決議された。
それは輸入税、クルマ税、土地税など。
これが施行されると物価がますます上がることが予想される。

それでこの日はケニア全国の人たちがその税の議案決議を阻止しようとして、
非常に多くが各地でデモに参加した。
ナイロビやその近辺の住人は国会をめざす。
国会周辺では警察隊が国会へデモ隊が乱入しないように固く守った。
そこで議会へ進入しようとしたデモ隊と警察隊が衝突。
警察隊は銃や催涙ガスでデモ隊を追い散らし、
そのために20名ほどの死者を出す。

私はその次の日、前日のデモの様子を知ろうとして英字新聞を読んだら、
このデモの首謀者のことがよくわからない。
普通は野党党首などの政治家が首謀者で演説している姿の写真が出てくるのだが。
それでいて大統領の腹心である副大統領はこの新聞の記事の一つで
「公安のボスはこの大デモのことを予想できなかったので辞任しろ」と叫んでいる。

このへんのことはケニア人の事情通の話では
「今回のデモはZ世代の若者(18歳から27歳まで)が
SNSなどで呼びかけてしていることで(公安がデモを予想できなかったのはこのため)
彼らは年上の与野党の政治家たちのことを信用していない。
そして長いあいだ平和な時代を過ごしてきたので、警察隊の怖さも知らない。
それでいて今のZ世代はまともな就職先がなく、多くが仕事にあぶれている。
昨年もケニア政府は税を軒並み3%上げておいて、
また新しく課税をしようとしている。だからZ世代は特に怒っている。」とのこと。
そうういえば今回のデモ以上の大きなケニアでの混乱は
2007~8年にかけての民族闘争で、
あれから16年も平和で民主的な期間(テロは除く)が続いていた。

この日はデモの目的である新しい税の法案阻止が達成できなかったため、
7月2日にまた大きなデモが起こった。
デモがあるときは普通数日前に予告されるのだが、
この日は急遽だったので2日しか予告がなかった。

この日「ボランティアインターン」の日本人の方が1名
ナイロビ空港に午後着くというタイミングだったので、
私たちサイディアフラハのスタッフはとても心配。
デモは再び大きくキテンゲラでも行われる。
ただしキテンゲラの住民は平穏なデモをしたが、
暴徒はトラックでどこからか運ばれてきた連中で大きなレストランや店々を襲った。
そこで警官たちと暴徒たちの間で銃撃戦が行われた。

そういうことでボランティアインターンの方には
空港で4時間ほど待機していただき、
夕方デモが治ってから空港へ迎いに行くことができた。

なおこの方とは日本をたつときから空港で万一会えないことを考え
whats appで連絡を取り合っていてので、
空港待機中もwhats appで連絡を取り合えたことが不幸中の幸いだった。

今後はケニア政府とデモ当事者の間で話し合いをすることが決まっているので、
このような大きなデモは当分なさそうだが、
2度目の大きなデモから2日しか経っていないので、安心するにはまだ早い。

サイディアフラハ 荒川勝巳